私が初めてイルカと泳いだのは、かれこれ20年近くも前のことです。そこは、日本の小笠原諸島でした。初めて野生のイルカを見た時の光景は、今でもありありと覚えています。それから、ずっとイルカの追っかけになってしまい、ハワイまでたどり着きました。
その時から自分でもわからないちょっと尋常ではないイルカが好き!という感情が私の 中に住み着いてしまったんです。初めてオアフ島のマクアビーチにイルカに会いに行った時、ビーチからすごく近いところに何頭ものイルカの頭がボコボコでてくるのが見えました。100頭近くいるようでした。本当にびっくりでした。こんな場所が世界にあるんだ!って。
その頃は、イルカツアーがほとんどなく、カヤックでイルカに会いに連れて行ってもらうというものでした。100頭のイルカと私と友達(あとカヤックを漕いでくれる人)だけ。それはそれは、夢のような時間をすごしました。
よくイルカは特別な存在だとか、コニュニケーションができるとか言われていますが、本当だと思います。そうでなければ、なんでこんなに恋をしたかのような感情に囚われてしまうんでしょう。その頃、東京で働いていた私は、ストレスでいっぱいの生活を送っていました。とにかくイルカに癒してもらいたい、イルカのそばに行きたいという気持ちで、思わず身体に力が入り、イルカを追いかけてしまいました。するとどんなに一生懸命泳いでもイルカはどんどん先へ行ってしまって、追い付くどころではありませんでした。ただただ息切れ(悲)離れていくイルカを見ていると私の中にこんな言葉が浮かんできました。「ちょっと力抜いてごらんよ」。声が聞こえたわけではなく(怪しいメッセージではありませんー笑)私の中に浮かんできて、腑に落ちる感覚がしたんです。
オアフ島のウエストコースとは、大自然がまだ手付かずで残っている場所です。海から顔をあげると青い空と大自然が目に入ってきました。ここに来られただけで幸せなのに。そう思ったら、リラックスできました。イルカは、相変わらずマクアビーチにいて、ラブリーなエネルギーでいっぱいでした。イルカがまた近くに来たので、今度は、ゆらゆら浮かんでイルカが下を泳ぐのを見ていました。海に逆らわずゆっくり泳ぎだすとさっきの必至感(笑)がなくなった為か、ずっと楽に泳げました。イルカもそれを認めてくれたみたいに一緒にゆっくり泳いでくれました。
このイルカとの出来事みたいに、私は、毎日必至で心にゆとりもなく生きてきたのかもしれないと午後のお昼寝中のもうろうとした意識の中で思ったのを覚えています。オーバーかもしれませんが、イルカが人生について教えてくれたのかもしれません。肩の力を抜いて、気持ちにゆとりを持って行動した方が、スムーズにうまくいくよって。
今は、こうしてイルカのそばで暮らすことができて、本当にしあわせです(生活にはいろいろありますが…..)悩みがあったり、疲れていたりすると、イルカはいつも「大丈夫だよ。元気だそう!」って言ってくれているような気がします。イルカって、何回一緒に泳いでも飽きることがないんです。イルカと共に過ごすことは、今や私の生活の一部です。このイルカと泳ぐステキな体験を本当に本当にたくさんの人にしてほしいと思います。
*野生のイルカと泳ぐアクティビティーは、残念ながら 2021年アメリカの自然保護団体NOAAの規制により、ビーチ沿いでハワイのスピナードルフィンと泳ぐことが禁止されました。現在、ドルフィン&ユーでは、野生のイルカウオッチングツアーを行なっております。「泳ぐ」から「見る」に変更になりましたが、その他のツアー内容は、同じです。イルカ達を「見る」だけでも、本当に感動します。イルカとのワクワク感覚を味わいたい人は、是非ドルフィン&ユー、野生のイルカウオッチングツアーへご参加くださいね。